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唐津の産婦人科医のブログ




佐賀県唐津市の産婦人科、たなべクリニック産科婦人科院長たなべりょうへいが日々感じたことを率直にお届けするブログです。


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 「運動会にて...」

        車窓から子供達の躍動、父兄の
        歓声が飛び込んでくる。
        風に乗って、別の地域の運動会の
        アナウンスが耳に届く。

        運動会シーズン到来!

        今も昔も子供達の「一生懸命さ」が、
        父兄ならずとも大人の心に幸せを
        運んでくれる。

        沢山のテント、大きな歓声。
        グランドの思い思いの場所で、
        お弁当箱の饗宴。

        「一杯、どうですか?」と、
         隣のお父さんからビールの
         差し入れ。

        「運動会という名」の真昼の
         宴会に盛り上がるお父さん、
         おじいちゃんの少し向うに
         父と娘の姿。
         私の視線が止まる。

        運動会の主役のその小さな
        女の子の背中の向う側に
        お父さんが背中を丸めて娘の
        視線で向き合う。

        父と娘だけのお弁当。

        偶々、祖父母が来れなかった。
        お母さんは、少し遅れて来るの
        かも知れない。と、考えた。

        ずっと、二人だけだった。
  
        ずっと、女の子は、楽しげに
        お父さんに話しかけている。
        嬉しそうに目尻が下がる父。
  
        大宴会じゃなくても楽しそう。
        とっても幸せそう。
        二人ともとっ~てもニコニコ。

        「あぁ~。貰ったビールより
         得した..」と素直に思えた。

        我が子にも「あの子誰?」って
        尋ねなかった。
        傍らの家内にも何も言わなかった。

        何故か胸一杯になった。
        大きく空を見上げて深呼吸した。

        「運動会」って、やっぱ
         いいよなぁ~。

        絶対、いい...。

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 「なつのとも」の思い出

        夏休みが終わった。
        我家に居た小さな怪獣達も
        元気に登校している。

        「夏休みの宿題は、全部
         終わったとね~。
         知らんよ、お父さん。」
         と、休み最後の日にソファに
         寝そべる余裕シャクシャクの
         子供達に一言物申す父。
  
        「あと、ひとつだけ~。」

        その「あとひとつ」が
        落とし穴。

        私が小学生の頃、夏休みに
        なったら、初日から気合
        入れて宿題をやりまくった。

         目標は、
        「7月中に終わる。」
         そして、遊びまくる!

        「よ~し、絵とか図工は
         後ですれば良かけん・・・」

        そのいつも同じ計画で、
        私は、毎年泣いていた。

        遊びに夢中の8月は、
        すっかり絵や図工を忘れて
        31日の夜に悪夢が襲う。

        「あぁ、しとらんやったぁ~。」
        「ど・どうしよう~。」

        泣いても何も進まない。
        親に怒られ、イヤイヤ眠い眼を
        こすって、夜なべする。

        何を作ったかのわからぬ
        図工の作品を手に始業式へ。

        ドキドキしながら上目使いに
        担任の先生に宿題を提出。

        「宿題、忘れた者、
         手を上げっ~。」と先生。 

         数人の友達が手を上げる。
        「うわぁ~、ヤバイぞっ~。」
         と自分の事のように私。

        「しょうがないなあ~。」
         と、アッサリ終わる先生。

        「えっ?!」「なにっ!?」
        「先生、怒んないの?」
        「な・な・なんでぇ~???」
         と、崩れ落ちる私。

        先生、そりゃぁないよ~。
        私の「よなべ」は何だったの?
        と、今この瞬間に声を大にして
        私は、言いたい!!!

        こどもたちよ。
        宿題、ガンバッテ...。
        でも、頑張らないで...。

 「なし屋」のおばちゃん

        梅雨も明け、猛暑の予感。
        今年は、昨年の冷夏を取り戻す
        如く太陽が肌を突き刺す。

        そんな中、一時の涼を感じる
        光景がある。
  
        クリニックの道路の向い側に
        今年も一本のパラソルが開く。

        「梨屋のおばちゃん」が今年も
         定位置に元気に陣取っている。

        「おばちゃん、今年はぬっかねぇ~
         今年もおばちゃんのうまか梨ば
         楽しみにしとったよ!」

        おばちゃんは、もう幾つなんだろう。
        私が、ヨチヨチ歩きの頃から
        クリニックの傍らで梨を売っている。
  
        「先生がこまか時はねぇ..
         じいちゃん先生の若か時はねぇ..」
         と、何でも知っている。
  
        『たなべ』の歴史を長年、見続けて
         来た貴重な人である。

        「おばちゃん、今年はまだ来らっさん
         ねぇ~。元気しとらすかなぁ~。」 
         って、みんなで言よったとよ。

        私は、子供と梨を買いに行く。
        私の子供にも梨屋のおばちゃんを
        知って欲しい。
        その幼き記憶に残して欲しい。

        今では、聞けなくなった昔話を
        子供達にもして欲しい。

        来年も再来年も元気に
        パラソルを開いて欲しい。

        おばちゃんの梨が
        一番おいしい。

 「台風」との幼き戦いの日々

        台風がやって来た。
        雨風も次第にひどくなり
        台風の接近を肌で感じ、
        TVの台風情報に耳を傾ける。 

        私が、幼稚園生の頃、長靴と
        レインコートを買ってもらった。
        とても嬉しかった。
   
         早く着たくて、
        「雨降らないかなぁ~」と
         毎日、空を仰いでいた。
    
         そんな折、台風がやって来た。
         レインコートも着たいし、
         台風の中、外に出て幼心に
        「戦い」の炎が燃えて来た。 
   
        一大決心!
        一人雨風の中、
        親に内緒で外に出た。
        目的地は、数百メートル
        離れた隣のいとこん家。

        幼い私にとっては
        大冒険!!

        飛ばされそうな傘を
        小さな手で握り締めて、
        目をつぶって歩み出した。

        「もう、ダメだぁ~..」
         小さな勇気と冒険心の
         決断は、わずか数分。
         距離にして数十メートル。

         びっしょり、濡れて
         お家に帰った。
        「なんしよっとね、あんた
         こやん、びしょびしょに
         なってから..」と母。

         今振り返れば、
        「なんばしよったと?」って感じ。

         でも、鮮明に私は覚えている。
         あれは、紛れも無く、
        「戦いだった」と。
        「大冒険だった」と。

        台風も去った。
        空には、時折晴れ間も覗く。
        幼き日々の自分を想い、
        私は、何故かとても嬉しい。

 「子の思い」・「子の愛」

        家族で一緒に食卓を囲む。
        子供と一緒にお風呂に入る。
        我が子の枕元で本を読んであげる。

        そんな一見、当たり前の様な事が
        職業柄、私にはなかなか出来ない。

        私にとって、我が子と
        一緒に過ごす時間は、
        例えようも無い程、尊い。 

         我が子と
        「今日、一緒に」
         お風呂に入る。

        一番はしゃいでいるのは、
        実は、父親の私である。

        子供と洗いやっこをしながら
        子は父に色々な話をしてくれる。

        『ねえお父さん、朝起きたらね
         僕がお父さんになってるの』

        「へぇ~、それで・・」

        『でね、お父さんが子供に
         なってるっちゃん』

        「そう! それでどうなるの?」
         と、私は子供の空想に興味津々。

        『でね、毎日キャッチボールして
         毎日肩車してあげていつも一緒』

        「そう・・、そうなの・・・」
         と、私は涙目で笑った。

        ディズニーランドなんか
        行かなくていい。
        おもちゃたくさん買って
        あげなくてもいい。

        いっぱい、いっぱい
        くっついて、抱きしめれば良い。

        子の思い・子の愛。
        寝顔の我が子に私は、その夜
        いつまでも話しかけた。
   
        大切なもの...
        大事なもの... 

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